介護施設で働いている介護職でも人事異動が行われることがあります。もっとも多いのが同じ施設内で別のフロアや部門へと移動するケースですが、そのほか同じグループの別の施設に異動する、つまり職場そのものが変更されるケースもあります。介護職に限らず人事異動は敬遠される傾向がありますが、介護の分野ではメリットとデメリットの両方があり、どちらがよりその人にとって大きな影響を及ぼすかで評価が分かれます。
メリットとしては業務内容が変わることで新しい知識やスキルを身につける機会が得られます。介護職では利用者の健康・精神状態に合わせて臨機応変な対応が求められる部分もありますから、いろいろな現場でいろいろな利用者を相手にサービスを提供する機会があったほうが柔軟性のあるスキルを身につけることができます。それから職場を変えることで人間関係を変えることができるのも人によってはメリットになるでしょう。ウマの合わない同僚がいた現場から逃げ出すことができるだけでも仕事へのモチベーションが復活するケースも起こりえます。
一方デメリットとしてはこれまで築き上げてきた経験やノウハウの価値がなくなってしまい、ゼロから新しい知識やスキルを身につけていかなければならない可能性もあることです。これは新しいことを覚えることが大変なだけでなく、これまで思い描いていたキャリアパスが狂ってしまうという問題点ももたらします。
ほかには先程メリットとして上げた人間関係の変化がかえってデメリットになること、繰り返し何度も異動させられることで腰を据えて働くのが難しくなることもあるといった点も挙げておくべきでしょう。