介護施設に就職したら、その施設内で同じ利用者の介護をずっと担当すると思っている人が多いでしょう。そのため、施設内において昇級することはあっても、別の施設や別の利用者の担当となることは少ないと感じている人もいますが、そのようなことはなく、同じ施設内、あるいは系列の別施設へと人事異動が行われることもしばしばあります。
しかし、介護職における人事異動は、メリットよりもデメリットに注目が集まっています。介護職をはじめとした対人の仕事は、人間関係の構築が重要であり、せっかく慣れ親しんだ環境が人事異動によってなくなってしまうと、利用者にとっても介護職のスタッフにとってもストレスとなる可能性があるからかもしれません。
とはいえ、人事異動にもしっかりと目的があります。まず、目的の1つに欠員の補充が挙げられます。介護職は離職率が高い仕事であり、欠員が出ることはどの施設も少なくありません。したがって、足りない場所に人員を補充するために人事異動することは珍しくないのです。
また、人材育成を考えて人事異動が行われることもあります。同じ仕事ばかりだけではなく、様々な経験を積んで、後々施設をまとめる存在に成長してほしいという考えのもと、人事異動が行われることもあります。
その他、人間関係を一度リセットすることを目的に実施することもあると耳にします。人間関係ができあがった職場というのは安心感がありますが、慣れによって気持ちが緩むことは少なくありません。ですから、人間関係を一度リセットして、新たな環境で仕事をしてもらうということも人事異動の目的に含まれるそうです。